【清金愼治のBlog】契約書はどこをチェックする?
企業の方から契約書のチェックしてくれませんかと言う相談がとても多いです。そして、たいていの場合、どこをチェックしてと具体的な指示はなく漠然とした依頼が多いです。この場合は、依頼者の気持ちは法律違反の契約だけはしたくないというレベルが多いかと思います。
実はこの依頼にどう応えるかは弁護士によってかなり違うのではと思います。
以前にもお話ししましたが、最近の契約書はどこかでひな型をダウンロードして使用しているケースが多く、法律違反的な契約書はほとんど見かけません。その意味では、チェックのしようがないです。
ではどこをチェックすべきかです。
私は、会社の方に次のような事項をまずお聞きします。
この契約で実行しようとしている事業の概要、目的、利益をどこで生み出そうとしているのか、その為に求める取引条件は何か、相手方に求める条件・責任範囲はどこまでか。
これらの事項は企業の方ならお分かりかと思いますが、基本的な事業戦略の中身そのものです。
つまり、契約は、企業の事業戦略の内容を条項化したもの、と捉えるべきと私は思っています。だから、この観点か契約書の作成、チェックを行っています。
このチェックを行うには、弁護士には法務知識は当然ながら必要ですが、企業の方から事業戦略についての説明を受けるのですから事業戦略に関する基本知識も当然に必要と思っています。
私にとっての法務とは、企業の事業戦略をサポートするためのサービスと考えています。
法務と経営の融合のさわりの話です。
続く