【ブログ記事】サブリース家主への説明義務の創設

今年の9月から、賃貸住宅管理業者登録制度に登録する企業は、サブリース契約の際、家主に借り上げ賃料の減額について書面に明記し口頭での説明が必須となるようです。

こちらの記事に紹介されています。http://www.zenchin.com/news/2016/08/post-2939.php

この登録制度はあくまでも任意の制度であるので、サブリース業者全てに適用されるわけではありません。

また、上記記事にもあるように、説明義務はサブリース契約時に課せられるものにすぎず、建築営業に関する規制も設けないと不十分だという指摘もあります。すなわち、オーナーの多くは、建築会社の営業担当者から、十分な収益が得られるという説明を聞かされてそれを信じて銀行から借り入れをして物件を建ててからサブリース契約をしていることが多く、サブリース契約の前提として物件建築・借入があります。サブリース契約時に賃料の減額を説明されても、既に物件を建ててローンを負っているオーナーの立場としては契約を拒否することは難しいことになります。

いずれにせよ、この説明義務の創設は一定の改善ということになりますが、悪質なサブリースの事例に対する抜本的な解決には至らないといえます。建築営業も含めて、オーナーの無知につけこんだサブリースビジネスに対する規制が必要でしょう。

もっとも、サブリースは、オーナーにとっても空室リスクがなく、自身で賃貸管理せずに済む等のメリットがあることは確かです。サブリースという仕組み自体が悪いわけではなく、当然良心的・誠実なサブリース業者もいます。マンションを建築してサブリースを始めようとする場合(特に建築にあたりローンを組む場合)には、業者の提示する楽観的な収益予測を鵜呑みにするのではなく、悲観的なシナリオも含めて自身で予測を慎重に立てた上で、実行するか否かを検討する必要があります。また、大手だからといって安心するのではなく、デメリットやリスクも含めて十分な説明をしてくれる誠実なサブリース業者を選択すべきです。