【伊田真広のBlog】製造物責任法の責任主体について

長らくBlogの更新をしていなかったのですが,新年度ということでまた更新していきたいと思います。再開1回目は,法律にかかわるニュースについてのBlogです。

平成26年4月17日の日経新聞の記事によると, 消費者庁は17日,スーパーのプライベートブランド(PB)などの加工食品に「製造所固有記号」を付ければ製造者情報の記載を省略できる現行制度を見直し,原則表示とした上で,記号使用を複数の製造所でつくられる商品に限る方針を明らかにした,そうです。 これは,アクリフーズ群馬工場の農薬混入事件では,回収対象となったプライベートブランド商品の一部に製造元が群馬工場と記載されておらず,消費者団体が「気付かず食べる危険がある」と問題視したため,制度の見直しが検討されていたとのことでした。

加工食品等,製造物の欠陥によって,生命,身体又は財産に係る被害が生じた場合には,被害者は製造物責任法(PL法)によって,被害の救済が図られています。

製造物責任法という名のとおり,当該製造物を業として製造した者は製造物責任法の責任主体となりますので(製造物責任法2条3項1号),スーパーのプライベートブランドの場合であっても,実際に加工食品を製造した業者は責任を負うことになります。 さらに,製造物責任法上,実際に製造していない当該スーパーについても,自社のプライベートブランドとして販売し,自ら製造業者であるかまたはそう誤解させるような表示を行っているため,製造物責任法2条3項2号により責任を追及されることとなります。

最近どんどん増えてきたプライベートブランドの商品ですが,消費者にとって製造者も明らかになることで,食品の安全性が高められれば,と思います。