【清金愼治のBlog】経営に戦略は必要と感じました
先週金曜日にブランド戦略研究会の定例会があり、(株)ユー・エス・ジェイのCMO(Chief Marketing Officer)である森岡毅さんのお話を聞く機会がありました。
久しぶりに講演を聞いていて「こりゃすごい」という感想を得ました。
USJは皆さんも一度は行かれたと思います。私も、2001年にオープンして少ししてまだ子どが小さい時に一度だけ訪れました。映画のテーマパークということで、東京ディズニーランドとは違う何かがあるのではと期待して行った記憶があります。その時の正直な感想は、何か迫力も夢もないな、もう一度来たいなとはお思いませんでした。そして、USJにはその後まったく行かず、新聞報道などで、入場者数が落ち込み事実上の経営破たんしたなどと言う程度しか認識していませんでした。
しかし、最近USJの人気が復活し、入場者数もかなり伸びていると言う噂を聞き、その立役者が森岡さんということで、とても期待してお話しを聞きました。
森岡さんは、1996年に大学卒業後にP&Gマーケティング部に入社され、2004年に世界本社へ行かれ、USJには2010年に入社されています。
USJの入場者数は開業初年度は1000万人を超えましたが、以後減少をたどり、2009年には約730万人まで落ち込んだのですが、森岡さんがマーケティング部に入社されてから2011年には約880万にまで回復し、2012年は1000万人を超えるのではと予測されるまで回復しています。
森岡さんがUSJでどのようなマーケティング戦略をとられたかをここでお話しすることはできません。マーケティングの素人である私に森岡さんの戦略を正確に理解してお話しすることができないからです。
ただ、私の感想は、森岡さんのマーケティングの基本姿勢は極めて分かりやすい、オーソドックスなマーケティングだなを感じました。素人の私がこの様な感想をもつことはとても森岡さんに失礼だとは思いますが、とても分かりやすい考え方でした。
つまり、「消費者理解」が基本にあると言うお話でした。
森岡さんの言われるのは、消費者理解とは、結果を出すために最も重要なアイデアの源泉であり、戦略的な意志決定を担保する最後の砦であり、自分のモティベーションを最大化する起爆剤、ということでした。
誰に、何を、どのように売るのか、消費者インサイトを深く理解することから始まると言うお話でした。
これって、マーケティングの基本と言われる4Pに近いかなと私は理解しました。「製品:product」 「価格:price」 「プロモーション:promotion」 「流通:place」の4pです。ただ、現在の社会環境下ではこの4Pの考えは進化を遂げていることを見落としてはいけません。
当然に単純な4Pだけの戦略ではなく、ブランドイメージ戦略を重要視されているようにも感じました。
勿論、森岡さんがUSJで実行された戦略はこの様な簡単な言葉だけで説明できるものではなく、本当にち密な事前調査と統計学を駆使された私には到底理解できな高度なマーケテイング戦略を実行されています。そういう意味では、森岡さんは飛びぬけたマーケッターなのです。
そして、森岡さんのすごいのは、自分で予想した数字、予想超えた数字(成果)を出しているということです。これは本当にすごいことです。
どの経営者・会社も森岡さんのようなマーケテイングができるとは思いませんが、森岡さんの基本的なマーケテイングの考え方と可能なレベルの実行を試みることは、中小企業の経営者の方でも十分に可能かと思います。
経営戦略・マーケティングを実行すれば必ず成功する保証はないですが、漫然と経営をしているだけでは成功の可能性は少ないと言えるのではないでしょうか。
基本をベースにした経営戦略・マーケティングを自分なりの考えでもって立案・実行(失敗)を繰り返すなかで、成功への道筋がもしかすると見えるのではないかと言う気がします。
戦略なきところに成功はない、森岡さんのお話を聞いていて痛切に感じました。
以上