【清金愼治のBlog】グローバル化って何?

先週ある大学院経営学研究科のセミナーに参加しました。定期的に開催されていて、内容も高度で知的好奇心が

とても刺激され、とても有意義なセミナーです。

因みに、神戸大学大学院経営学研究科のグッドプラクティスセミナーです。

 

今回のテーマはグローバル競争を勝ち抜くための戦略というテーマでした。企業家でも経営専門家でもない私が理解

できるテーマではなかったのですが、いくつか考えるヒントを頂きました。

今までも日本企業のグローバル化は議論されていましたが、その議論の中で近隣、特に中国企業のグローバル化をいかに

分析するかは見過ごされていたように思います。確かに、韓国のサムスンのグローバル化はよく話題に出ていますが、

中国企業は調査対象になっていたのでしょうか。もしかして、中国企業は日本企業のグローバル競争の相手ではないと

いう慢心がそこには潜んでいるのではとちょっと心配になります。

 

例えば、中国の対外貿易の状況を私は不勉強で知りませんでした。

中国の貿易国の比率(2010年)ですが、対日本が10%、対アメリカが13%、対欧州が16%になっています。日本の貿易に

占めるウエイトが予想外に低いと感じました。また、バランスが取れているという点が面白いところです。

他方、日本の貿易国の比率ですが、対中国が20.7%、対アメリカ12.9%、対欧州が10.5%となっていて、予想通り対中国

が貿易相手としては大きなウエイトを占めています。

中国のバランスのとれたグローバル化と日本のグローバル化をどのように評価すべきでしょうか。

 

セミナーの講師の方の話でもう一つ興味深かったのは、グローバル戦略で必要なのは、自社の強みの移転と現地資源の活用、地域多様性

と現地常識への理解の点でした。

今までも言われていたことですが、日本ブランドと日本型経営の押しつけでは、中国、韓国企業とのグローバル競争に勝つことは難しい

と思われます。

各国の国民性・文化・慣習の違いは、ボーダレスの現在でも大きなファクターになっていると思います。とりわけ、日本人の勤勉、まじめさは

あまりにも異質という感じがするほどです。日本人の感覚で海外に出れば失敗をするというのは至極当然のような気がします。

しかし、だからと言って日本企業も中国、韓国企業と同じような戦略(現地政府、本国政府との関係構築など)をとる必要はないよう

に思います。戦略の模倣は一番芸がないでしょう。

やはり、日本企業の強みと相手国(国民)の価値との共創をいかに柔軟かつ迅速に対応する戦略を作るかが必要と思いました。

これからも、中小企業の戦略についていろいろと勉強をしなければと痛感しました。

以上